加賀温泉駅

加賀温泉駅は、北陸新幹線の開業（2024年3月）に合わせて建設された、加賀市の新たな玄関口となる駅舎です。

デザインコンセプト

駅のデザインコンセプトは「加賀の自然と歴史、文化を見せる駅」で、「ほっと安らぎ、粋にかぶく駅」という副題が付けられています。「加賀市らしさ」「存在感」「市民に愛される」という3つの基本キーワードをもとに設計されました 加賀市。

建物の特徴

駅舎の最大の特徴は、外観に取り入れられた**紅殻格子（べんがらごうし）**です。これは温泉郷の風情と城下町の歴史を表現する重要なデザイン要素となっています 中日新聞。

内部では、加賀特有の赤瓦が待合室の天井付近に採用され、県産木材が柱に使用されています。これらの素材選択により、地域の伝統的な建築様式を現代的な駅建築に融合させています。ホームの待合室のひさしは木調仕上げとし、利用者に落ち着きとくつろぎを感じられる空間を提供しています。

文化的背景

駅のデザインには、古九谷の伝統色彩である加賀五彩（緑・黄・紫・紺青・赤）や、白山の純白、山代の紅殻格子の色合いが効果的に活用されています。これにより、加賀藩（大聖寺藩）の歴史や、茶道・能楽などの芸術文化、山中塗漆器などの工芸技術の魅力を駅建築を通じて発信しています。

駅周辺は白山や江沼三山の山並み、穏やかな丘陵地帯との景観調和を図り、100年後も地域に愛され続ける駅となることを目指して建設されました。花と緑を活用した空間づくりにより、山代・片山津・山中の三温泉を結ぶシンボル的な交流拠点としての役割も担っています。